ビデオクリエイターや映像制作者であれば、一度は自分の映像を編集したことがあるはずです。編集作業をする中で「ステムデータ」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。でも、ステムデータとは何でしょうか?そして、ステムデータを利用してどのように映像のクオリティをアップできるのでしょうか?ここでは、ロイヤリティフリーの音楽をより効果的に活用する方法について掘り下げていきます。
ステムデータとは?
楽曲は、ボーカルやドラム、ベース、ピアノなど、さまざまなパートで構成されています。各パートは曲の特定の要素を表す別々のオーディオトラックで、これをステムデータと呼びます。たとえば、ドラムパートのステムデータや、ボーカルパートのステムデータなどがあります。
なぜステムデータを使うのか?
映画やビデオを編集する際、ステムデータは曲の特定の要素(ボーカルや楽器、エフェクトなど)を分離するための重要なオーディオトラックになります。これらのステムを使用することで、編集者は音楽とセリフ、効果音、シーン全体のサウンドデザインがどのように融合するのかを、より詳細にコントロールできます。ステムのレベルを調整したり、パートを再編成したりすることで、他のサウンドを圧倒せずに音楽が物語をサポートすることができます。このフレキシビリティは、表現したい感情を実現したり、映画の音作りにおいて明確さを保つために重要です。たとえば、短いシーンにグルーヴを加えるためにドラムだけを使ったり、ドラマを強調するために弦楽器をソロで使ったりすることができます。

クリエイティブなプロジェクトにおける音楽ステムデータの活用法
映画やビデオの編集を向上させるためには、ステムデータを様々な方法で利用できます。
より優れたフレキシビリティ
前述したように、ステムデータは編集者に優れたフレキシビリティを提供します。映像にぴったり合った要素が気に入っている一方で、他の部分にはあまり魅力を感じない曲に出会ったことはありませんか?たとえば、イントロのバイオリンは大好きだけれど、ドラムが入った後の曲のBPMはあまり好みではないという場合です。ステムを使えば、この問題を解決できます。トラックを個別の要素に分解し、必要な部分だけを使うことができます。
さらに、個別にステムを使うことで、トラックを映像に合わせるのがずっと簡単になります。曲を延長したりカットしたりする際、より精密に行えますし、再編成やループも可能で、これらすべてが編集の微調整を容易にしてくれます。
音声レベルの調整
映像編集者は、各ステムデータの音量を調整して、音楽が対話や効果音を圧倒しないようにします。たとえば、緊迫 したシーンで俳優が小声で話しているときは、曲のボーカルトラックを減らしたり、完全に消したりしながら、個々の楽器パートを繊細に強調することができます。
複雑な音声が含まれるシーン、たとえばアクションシーンや対話が多い場面では、ステムを使うことで音楽の要素を正確に調整し、他の音とぶつからないようにすることができます。
ストーリー性とシーンに合った表現
特定の音楽要素を分離して強調することで、編集者はシーンの雰囲気や情感を微調整できます。
たとえば、キャラクターが家の中で殺人鬼から隠れている緊迫したシーンでは、緊張感のあるドラムトラックの音量を上げることがあります。また、別れのシーンではピアノのメロディーを分離して強調すると効果的かもしれません。ステムデータを使って編集することで、創造性を発揮し、最も効果的な方法を見つけるために様々な実験ができるのです!
映画におけるステムデータの使用例
ほぼすべての映画のシーンでステムデータが使用されています。以下の事例を分析して、どのようなステムが使われているか、また編集者がなぜそのような選択をしたのかを見極めてみましょう。
ロード・オブ・ザ・リング:王の帰還
「ロード・オブ・ザ・リング」三部作の最終作における象徴的なシーンでは、ロヒルリムの騎兵たちが丘の上に集結する様子が描かれています。シーンを盛り上げるために様々な楽器のステムデータが使われ、オークたちが防衛の準備を進める場面では、ドラムやトランペット、そして王の言葉に耳を傾ける騎馬兵たちが描かれています。ステムによって、テオデン王の演説などのキャラクターの台詞がはっきりと聞こえるようになっています。そして、ロヒルリムの騎兵たちが突撃する際に音楽が高まり、クレッシェンドに達します。
スター・ウォーズ エピソード5:帝国の逆襲
もう一つの象徴的なシーンは、スター・ウォーズの中でも特に有名なこの場面です。
ここで使用されているステムデータを特定し、戦闘シーンにどのように影響を与えているかを考えてみてください。ルークがダース・ベイダーを探しながら忍び寄る冒頭では、非常に緊張感のあるステムが流れています。さらに、ダース・ベイダーがルークの手を切り落とす瞬間では、別のステムが加わり、最後には、ダース・ベイダーが衝撃的な真実を明かすときに劇的なトランペットの音が流れます。この瞬間は、世界中の映画館で観客を驚かせました。
Artlistでステムデータを入手する方法
Artlistのステムデータに関しては、すべての音楽がアーティストによって提出された最終版として提供されており、さまざまなステムも利用可能です。 この待望の機能によって、ユーザーは自由にサウンドデザインをできるようになります。経験豊富な動画編集者でも、初心者でも、ステムデータを使うことで音楽をより自由にコントロールできます。これにより、クリエイティブなビジョンに合わせてサウンドトラックのすべての要素をカスタマイズできるようになります。
Artlistでステムを使用するには、ダウンロードボタンをクリックするだけで簡単にできます。豊富な音楽ライブラリをブラウジングしていると「Includes Stems」(ステムを含む)という新しいフィルターオプションに気づくでしょう。これを使えば、ステムファイル付きの曲をすぐに見つけられるので、すぐにクリエイティブモードに入ることができます。
※現在、ステムはデスクトップのみで利用可能です。
まとめ
音楽ステムの基本について知っておくべきことはすべてお伝えしました。音楽ステムとは何かを理解し、それを編集に効果的に活用することで、あなたはより優れた編集者になれるでしょう。
映像編集の際にサウンドに対して柔軟性を求める方、ミックスをよりバランスよくしたい方、あるいは物語の核心にある特定の感情を強調したい方は、ステムデータを利用すれば作品のレベルを各段にアップできます。
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